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48.若い頃

初めて女装をされた方は女装をした自分の顔を見て「若い頃の母に良く似ている」とお話しになる事があります。特に、30代以上の方に多いように思います。最近、若いゲスト様もサロンにお越しくださることが多くなり、その中であることに気がつきました。20代の女装子さんは「母に似ている」よりも「姉(若しくは妹)に似ている」と仰る方が多いことです。

例えは少々異なりますが、女性である私も20代前半のまだ肌の衰えを感じていなかった頃は「母と似ている」とあまり思いませんでしたし、寧ろ年が近い弟を意識していました。30代になり弟も私も自立をした今、「顔も考え方も随分母と似ているな…」と感じます。母は看護婦で私は自称女装屋ですから職業は異なりますが、歩んできた人生でも考え方でもなんとなく母と似ているように思います。それは60代の今の母の姿ではなく、自分と同じ30代の母の姿と照らし合わせて考えているような感じです。

30代で初めて女装をされた方からは、「もっと若いうちから女装を始めていたらよかったのに…」とコメントを頂きます。20代の方でそのようなコメントを頂くことはあまりありません。「美しくなりたい=いつまでも若々しく」は女性にとって永遠の憧れで、それは女装でも共通だと思います。
スタッフの百ちゃんとそのことで話をしていたら、彼女が興味深い見方を披露しました。百ちゃんの考えは、「家族であれば、女装をしたときにその方の理想の年齢層に近い家族に似るのだと思います。年齢を気にされない若い方でしたら姉や妹、加齢を気にされる方は若い頃の母の姿だと考えます」とのことです。
「若い頃の母」は女を表現する上で最も自然な完成像なのかもしれません。
2010年3月9日